秋葉原の路上で暴力団幹部を刺殺した男、暴力団幹部に8000万円巻き上げられていた

東京・秋葉原の路上で7月に暴力団幹部の男性を刺し殺したとして逮捕された経営コンサルタントの男が、「要求に応じて現金を渡すという状況を全て終わらせるつもりで刺した」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。暴力団幹部に対し、約4年間で総額約8千万円を渡したと説明しているという。東京地検は10日、男を殺人罪などで起訴した。

　起訴状などによると、佐々木文俊容疑者（35）は7月21日午後6時40分ごろ、東京都千代田区のJR秋葉原駅近くの歩道で、暴力団幹部（34）の左腹部を牛刀で突き刺し、殺害したとされる。佐々木容疑者は現場近くの喫茶店でこの幹部と一緒にいたが、店を出た直後に幹部を刺し、そのまま万世橋署に出頭したという。

　捜査関係者によると、佐々木容疑者は調べに対し、2013年ごろに居酒屋で幹部と知り合い、当初は暴力団員と知らずに付き合っていたと説明。幹部が別の事件で逮捕されたことをきっかけに暴力団員と知って以後、幹部から「俺をボスと呼べ」などと迫られ、飲食や車の購入名目などで現金を求められるようになったという。拒否しようとすると暴力を振るわれ、組の仕事を手伝わされることもあったとしている。

　佐々木容疑者は、ガールズバーやコンセプトカフェなどのコンサルタント業で生計を立てていた。警視庁は21年4月からの半年間で計約2400万円が口座から出金されていることを確認しているが、佐々木容疑者はそのほとんどを幹部に渡したと説明。幹部への支払いは自身の親や妻からの借金で工面することもあり、総額は18年夏ごろから約8千万円に上ると話しているという。（高嶋将之、山口啓太）

https://news.yahoo.co.jp/articles/9464677eab01efb74dd58dcb2cd97c7de8ec815d