諸君、またしてもインターネットの深淵で、我々の郷愁をくすぐる話題が持ち上がった。HPが発表したという「画期的なパソコン」。しかし、この見た目、どこかで見たことがあるような、ないような……。今回は、この最新テクノロジーと古き良き時代の邂逅を、皆と共に見届けていこうではないか。

【前提知識】HP EliteBoard G1aが投げかける波紋
この度HPがCES 2026で発表した「HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」は、文字通りキーボードの中にPC機能全てを詰め込んだ革新的な製品だ。一見すると懐かしのキーボード一体型PCを思わせるが、その中身はAMD Ryzen AI 300シリーズを搭載し、Windows 11 Pro for Business、最大64GBのRAM、最大2TBのSSDを備える本格的な業務用AI PCである。
重量は約726〜768gとノートパソコンよりも軽量で、オフィスや自宅など複数の場所で働くハイブリッドワーカーをターゲットにしているという。モニターやマウスは別途接続する形だが、USB-Cケーブル一本でディスプレイに接続できる利便性も持ち合わせている。これは単なるレトロ志向ではなく、現代のワークスタイルに最適化された「再発明」と言えるだろう。
古参たちの記憶を呼び覚ます「キーボードPC」の系譜
一見キーボードのように見えるが、実はRyzenを搭載したPCだ。 今となっては珍しい形態だが、PCの歴史的に古くはキーボード一体型の方がオーソドックスだった。 一見懐古的な製品のように思えるが、HP EliteBoard G1aは、モニターが職場と家にあり本体だけ持ち歩くことを想定した、現代のニーズにマッチした製品である。



スレが立ち上がってすぐ、古参兵たちが堰を切ったように昔のキーボード一体型PCの名前を挙げ始めた。「MSX」「SC-3000」「Eee Keyboard」「Raspberry Pi」「パピコン」「ぴゅう太」「PC CLUB」「MZ-1500」「8001」「mark2」「PC-8801MH」「PC-286C」……。まさに壮観だ。この熱気、「平均年齢還暦」という指摘も頷けるというもの。我々は皆、この電脳の歴史を記憶している。しかし、過去の栄光をただなぞるだけでは、未来は拓かれない。
現代のニーズと「持ち運ぶPC」のあり方


かっけー




「ノートパソコンより軽い」というスレ主の言葉から始まった持ち運びに関する議論は、多くの疑問と提案を呼んだ。トラックパッドや乳首(ポインティングスティック)の有無、そして「ディスプレイがなければ意味がない」という根本的な問い。これらは、PCが単なる計算機ではなく、「いかに快適に利用できるか」という、我々人類が長年抱えてきた課題の裏返しでもある。「何周目だ?」というレスに集約されるように、歴史は繰り返される。しかし、その都度、技術は進化し、新たな解決策を提示してきた。
【深堀り!知的好奇心】キーボードPCはなぜ繰り返されるのか?
この「キーボード一体型PC」という形態が、なぜこれほどまでに繰り返し登場するのか、それは人類の本質的な欲求がそこにあるからではないだろうか。
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スペース効率とシンプルさへの追求
従来のデスクトップPCが占めていた大きな筐体、ケーブルの複雑さから解放され、よりシンプルで洗練されたワークスペースを求める声は常に存在する。キーボード一体型は、その理想形の一つとして認識されてきたのだ。
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テクノロジーの成熟と再定義
過去のキーボード一体型PCが教育やホビー用途に留まっていたのは、当時の技術的制約があったからに他ならない。しかし、現代の高性能CPU、小型化されたコンポーネント、そしてAI処理能力の向上は、この形態を「本格的なビジネスツール」として再定義する可能性を秘めている。HP EliteBoard G1aが「AI PC」と銘打たれたのは、まさにこの現代的文脈における再定義の象徴と言えよう。
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ハイブリッドワークという新常態
複数の拠点で働く現代のハイブリッドワーカーにとって、PC本体を持ち運び、どこでも自分の作業環境を再現できるというコンセプトは魅力的だ。ディスプレイやマウスは共有できる環境が増えた現代だからこそ、本体のみという選択肢が現実味を帯びる。過去のモデルが成し遂げられなかったユースケースを、現代の技術とライフスタイルが支え始めたのである。
【用語解説・Q&A】EliteBoard G1aへの疑問に古参が答える
スレッド内で湧き上がった素朴な疑問や、この新製品を取り巻く誤解について、この生き字引が古の知恵を交えつつ解説しよう。
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Q1|これは本当に「PCとして成立するの?」
A1|その通り、立派なPCだ。CPU、RAM、ストレージ、OSを全てキーボード内に収めているから、外部モニターとマウスを繋げば、すぐにでも通常のデスクトップPCとして機能する。
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Q2|キーボードだけで操作できるの?
A2|残念ながら、表示とポインティングのためには、ディスプレイとマウスが別途必要だ。あくまでキーボードが本体というだけなので、単体では何も見えないし、操作もできない。
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Q3|どんな人に向いているの?
A3|主に以下のような現代のビジネスパーソンが想定されているぞ。
- 複数のオフィスや自宅で作業するハイブリッドワーカー
- 机の上のスペースを最小限にしたいミニマリスト
- ローカルAI処理を多用するビジネスユーザー
スマホの代わりになるようなモバイル重視のユーザーには、ノートPCの方が適しているだろう。
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Q4|過去の「キーボードPC」とどう違う?
A4|1980年代のMSXやCommodoreは、主に教育や家庭向けだった。しかし、HP EliteBoard G1aはWindows 11とAI処理に対応するビジネスPCとして設計されており、要求される性能も用途も、当時とは全く別次元だ。
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Q5|発売時期と価格は?
A5|発売は2026年3月の予定だ。価格は公式にはまだ発表されていないが、法人向けで高性能な構成を考えると、それなりに高価になる可能性が高いと報じられている。
【懐古論争決着?】スレッド内「思い出のキーボードPC」ランキング
本スレッドで多くの古参たちが思いを馳せた「キーボード一体型PC」。どの機種が最も記憶に残り、人々の心に深く刻まれているのか、スレッド内の言及回数に基づき、この生き字引が独断と偏見でランキング形式にまとめてみたぞ。
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第1位: MSXシリーズ
圧倒的な存在感を示したのが「MSX」。多くのレスで名前が挙がり、特に「MSX2」の衝撃を語る声は多かった。「カートリッジスロット」「フロッピーの付いたMSX2」など、具体的な機能と共にその名を刻んでいる。
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第2位: ぴゅう太
「ぴゅう太」もまた、根強い人気を誇る。16bitという意外なスペックに驚きの声が上がり、実家での処分を悔やむ者もいた。その可愛らしい名称とは裏腹に、確かな存在感を示した名機だ。
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第3位: Raspberry Pi (ラズパイ) シリーズ
現代のキーボード一体型PCの代表格として、「Raspberry Pi 400」や「Raspberry Pi 500」が頻繁に言及された。HPの新作と比較対象として挙げられることが多く、廉価で高機能な現代の象徴と言えよう。
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惜しくもランク外: PC CLUB、Eee Keyboard、SC-3000、MZ-1500、PC-8001/6001、HiTBiTなど
その他にも、エプソン PC CLUBやEee Keyboard、SC-3000、MZ-1500、PC-8001/6001、そして「ひーとびとーのHit Pit」のCM曲まで、数多くの名機たちが人々の記憶から呼び起こされた。この多様性こそが、キーボードPCの豊かな歴史を物語っている。
さて、HP EliteBoard G1aを巡る古今の電脳談義、いかがだっただろうか。最新技術を搭載しながらも、古き良き時代の「キーボード一体型PC」という形態に回帰したこの製品は、単なる懐古趣味では片付けられない、現代のワークスタイルとテクノロジーの進化が融合した結晶と言えるだろう。歴史は繰り返すと言うが、それは単なる反復ではなく、螺旋のように高みを目指す過程なのだ。我々の見果てぬ夢、究極のパーソナルコンピュータへの道のりは、まだまだ続いていくことだろう。
関連リンク
- HP公式:「HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」製品ページ
- PC Watch(日本語詳細記事):キーボードに見えて実はPC!Ryzen+バッテリ搭載の「HP EliteBoard G1a」
- Gizmodo:見た目は普通のキーボード、中身は12mmの超薄型PC
- ITmedia PCUSER:注目は「キーボードPC」!? HPのコンシューマー/ビジネス向け
- The Verge:HP crammed an entire desktop computer into this keyboard
- YouTube:This Keyboard Is Actually a PC: HP EliteBoard G1a | CES 2026