【AV業界の闇】 アダルトビデオに出演する女性の実態をNGO団体が調査し結果を公表

AV 出演強要
・A 子が 20 歳のときに、X 社は A 子に対し、次の仕事は AV だと告げた。
A 子は AV に出演したくないので、何度も X 社にやめたいと懇願したが、聞き入
れてもらえなかった。拒否すれば 100 万円以上の違約金を支払わなければならな
いことが分かっていたため、やむなく AV に出演した。
・A 子は、X 社からメーカーY 社に派遣され、撮影に臨んだ。台本は前日に渡され
たが、意見を言う余地はなかった。A 子は、複数の男性との性行為を強要され、心身ともに深く傷ついた。
・A 子は X 社に対し、もう AV に出ることはできないと断ろうとしたが、X 社は既
に Y 社との間で 10 本の AV に出演させる契約を締結しており、あと 9 本撮影しな
ければならず、A 子が出演を拒否すれば 1000 万円の違約金がかかると言った。
・A 子は 1000 万円などとても準備できなかったが、これ以上 AV に出演すること
は耐えられなかった。ビデオ販売と次の撮影が近づき、死にたいと思い詰めて、
支援団体に連絡。X 社に対し契約解除の意思表示を行った。
・X 社は A 子に対し、巨額の損害賠償請求訴訟を提起した。②暴力的な撮影が行われたケース
・B 子は 20 歳の時に知人から「グラビアモデル」の事務所に紹介すると言われ、
X 社の面接に行った。B 子は X 社の専属モデルになることが決まったが、面接では AV の話は一切出なかった。
・B 子は X 社の紹介で Y 社に面接に行ったが、性体験の有無など猥褻な質問を受
けたため戸惑った。結局、B 子は Y 社の作品に出ることが決定したが、仕事内容は分からないままであった。
・撮影開始直前に、B 子は X 社から、AV であることを知らされた。B 子は拒否し
たが、X 社から、キャンセルすれば高額の違約金が発生すると言われたため、応じざるを得なかった。
・B 子は、1 本目の撮影終了後、X 社に契約の解除を申し出たが、X 社は既に仕事
は決まっていると告げ、「キャンセルすると違約金が発生する」、「現場に来なけれ
ば大学や実家まで迎えに行く」、「違約金を支払えないなら親に請求する」などと脅すことで、B 子に出演を強要した。
・B 子はその後も、違約金の脅し等から、出演を続けるしか選択肢がなく、出演を
続けたが、撮影内容は次第に過激になり、B 子の意思に反して、残虐な行為が繰り
返されるようになった。撮影で強要された行為は以下のようなものがあった。

・撮影のため 1 日 12 リットル以上の水を飲まされる、
・避妊具も付けず洗浄もしないまま複数人から挿入行為をされる、
・避妊具も付けず洗浄もしないまま肛門と膣の出し入れをされる、
・膣内に男性器に見立てた管を通し大量の卵白等の液体を何時間も続けて流し込まれる、
・避妊具もつけないまま複数人の精液を無理やり膣内に注入される、
・下半身をむき出しのまま、上半身は木の板囲いによって固定され、身体的自由を奪われたまま凌辱を受ける、
・多数におよぶ無修正の動画への出演強要

こうした撮影内容が事前に聞かされることはなかった。
B 子は、撮影中、苦痛のあまり、泣き叫んだり、全裸のままスタジオから逃げ出
したこともあったが、その度に監督等から怒鳴られ、撮影が強行された。
・B 子は、一連の撮影の結果、膣炎、性器ヘルペス、カンジダ、ウイルス性胃腸炎、
円形脱毛症、うつ病、男性恐怖症、閉所恐怖症等を発症した。
・B 子はその後、X 社との契約を解除することができたが、今も販売され続けてい
る AV の存在が、精神的な負担となっている。Y 社は現在も、B 子の AV を二次使用、三次使用して新作を作り続けている。
・B 子は、AV に出演した過去から逃れるためには、自分の顔を変えるしか方法はないと思い詰め、整形手術を繰り返している。

③密室での説得で出演を強要されたケース

・C 子が 19 歳の時に X 社のモデル求人に応募したところ、 20 歳になったら仕事を
紹介すると言われた。C 子は 20 歳になってすぐ、X 社から仕事が決まったと呼び
出され、AV に出演するよう言われた。
・C 子は AV を拒否したが、約 3 時間に亘って X 社の従業員に取り囲まれ、口々に説得を受けた。
・結局 C 子は、AV 出演に応じなければ部屋から出してもらえないと観念し、契約
書にサインをしてしまった。また、キャンセルすれば多額の違約金がかかると告知され、出演せざるをえなかった。

悪質な勧誘・説得により
④自殺に追い込まれたケース
・D 子は X 社のスカウトマンに声をかけられた。D 子が気の弱い性格であること
を見透かしたスカウトマンは、複数の従業員で D 子を取り囲んで説得し、出演の承諾を得た。
・D 子は断り切れずに AV に出演したが、直後に強く後悔した。しかし、X 社から
2 本目も決まっていると告げられ、出演せざるを得なくなった。
・辞めたがっている D 子の気持ちを知っていた X 社は、D 子が辞めるまでにでき
るだけ多く出演させようと考え、矢継ぎ早に出演させた。
D 子は半年ほどの間に、複数の AV に出演し、広く頒布された。
・D 子は X 社との契約を解除することができたが、自分の AV が販売され続けて
いることに、次第に精神的に追い詰められていった。
・D 子は AV 被害者支援団体に相談し、弁護士に AV の販売停止交渉を依頼するこ
とを決意したが、実際に依頼する直前に、首を吊って自殺した。

出演を続けている事例

⑧AV 業界から長年抜け出すことができないケース
・アイドル志望だった L 子は、街で X 社からスカウトされた。 X 社は L 子に対し、
誰もが知る女性芸能人の名前を複数上げ、みんな AV から女優になったのだと虚偽の説明をした。
・L 子は X 社からの誘いを断り続けていたが、 X 社は L 子を有名人に会わせたり、
X 社に所属すれば業界人と繋がりができるのでアイドルになりやすいと説明した
り、寮で生活してレッスンも受けることができるなどと言って、L 子への勧誘を続けた。
・L 子はアイドルへの憧れから、 X 社の説得に心が傾き、 AV への出演を決心した。
L 子にとって AV 撮影は過酷な体験であり、辞めたいと思ったが、X 社は連日 L 子
を食事に連れて行き、プレゼントを渡すなどして L 子を懐柔し、出演させ続けた。
L 子は複数の AV に出演し、名の知れた AV 女優となった。
・L 子は X 社から、AV 女優として顔が知られてしまった以上、アイドルなどなれ
るわけもなく、AV 以外の仕事は難しいと言われるようになった。また、L 子は X
社の広告塔として、AV に関しポジティブな発言を SNS でするよう求められた。
・L 子は AV 女優以外の選択肢を絶たれたことに絶望し、AV でできる限り生活費
を稼いでから海外に移住するしかないと考えた。
しかし、AV 業界では、女優は露出が増えれば人気が落ちる傾向にあるため、L
子に与えられる仕事の内容は、レイプやスカトロなどの過酷なものに変わってお
り、L 子は心身ともに深く傷つきながら出演している。
・L 子は現在、AV 被害者の支援団体に相談に訪れる一方で、AV 女優として作品に
出演し、SNS での発言も続けている。