拷問後殺そうとしたベトナム人達のアジトに武装警察官30人が突入「死にたくない」とスマホで

　金を貸した相手をマンションの一室に監禁したとして、兵庫県警国際捜査課などは２３日までに、いずれもベトナム国籍で、神戸市や大阪市に住む２０～３０代の男５人を逮捕した。被害者のベトナム人男性（２２）＝徳島市＝は鎖で足を縛られて監禁され、辛うじて取り返したスマートフォンから親戚らに助けを求めたという。

　５人の逮捕容疑は共謀して６月１９日午前４時半ごろ、神戸市兵庫区のマンションの一室で、男性の両足首を鎖でベッドに縛るなどして監禁した疑い。全員容疑を否認し、主犯格の無職男（２２）＝同区＝は「（被害者が）自ら縛った」と話しているという。

　同課によると、被害者は今年４月ごろに主犯格の男と知り合い、１３５万円を借金した。その後に男から「利子が発生して２５３万円に増えた」と連絡があり、返済が滞ると６月１７日夜、監禁場所のマンションへ連れ込まれたという。

　被害者は監禁中、いったんスマートフォンを取り上げられたが取り返し、北海道の親戚や徳島の知人に「監禁されている」「死にたくない」などとメッセージを送り、位置情報も知らせた。親戚の上司が兵庫署に連絡し、１９日未明、県警の捜査員３０人がマンションに突入して被害者を救出したという。

　同課によると、ベトナム人同士が借金を巡ってトラブルとなり、拉致や監禁事件に発展するケースは大阪府や滋賀県、群馬県など全国で相次いでいるという。