【令和の米騒動】卸業者「国に騙された」去年のコメが倉庫山積み…一体誰の責任？

日本の食卓を支える「米」の流通に今、大きな波紋が広がっています。卸業者たちが去年のコメを大量に抱え込み、「国の政策に騙された」と悲鳴を上げていますが、この問題の根源には一体何があるのでしょうか？

【前提知識】「令和の米騒動」とは？

2025年は、前年の「米不足・価格高騰」（通称「令和の米騒動」）の反動で、米の在庫が過剰になった年です。2024年にスーパーの棚から米が消え、5kgが4,000円を超える異常事態が発生したことを受け、卸業者やJAは農家から高値で米を大量に集荷しました。しかし、政府が備蓄米を放出し、さらに消費者の買い控えや外国産米へのシフトが進んだ結果、大量の米が売れ残る事態に陥っています。

騒動の経緯・時系列

• 2023-2024年: 減反政策の強化と猛暑による供給減が重なり、米が不足し価格が高騰。
• 2025年: 国の増産誘導（748万トン、前年比+69万トン）と備蓄米の大量放出（70万トン超）により供給が大幅に増加。
• 同時期: 消費者の「米離れ」やパスタなど代替食への移行が加速し、需要が減少。
• 現在（2025年末）: 卸業者の倉庫には新米だけでなく去年の古米も山積みに。高値で仕入れた米が売れず、評価損（損切り）に直面。卸業者は政府の需給見通しの誤りを指摘し、「騙された」と主張しています。

スレの冒頭から、卸業者への同情と批判が入り混じっています。高値で仕入れたコメが売れ残り、その原因を「国の政策に騙された」と主張する卸業者。しかし、消費者の立場からは、なぜ在庫を溜め込んだのか、そして高値をつけたのは誰なのかという厳しい視線が向けられています。国の需給見通しの誤りは確かにあるものの、業者側の投機的な動きも指摘されており、問題は一筋縄ではいかないようです。

今回の騒動で、長らく日本で続いてきた「国産米信仰」に大きな変化が訪れているようです。特に米国産の「カルローズ米」など外国産米の輸入量が急増しており、消費者は価格と品質のバランスを重視する傾向が強まっています。 国産米を高値で維持しようとした結果、消費者が離れ、海外市場に門戸を開いてしまった皮肉な結果と言えるでしょう。

農家と卸業者、そして消費者。それぞれの立場から意見が飛び交います。卸業者が高値で米を買い占めた背景には、国の政策の不安定さがあったという声も。しかし、消費者の間では「結局、欲を出した卸業者の自業自得ではないか」という見方が強いようです。主食の選択肢が増えた現代において、米の価格戦略はより一層重要になっています。

米を巡る問題は、単なる需給のアンバランスにとどまらず、業界全体の不信感や悪循環を生み出しかねない状況です。過去の経験から学ばず、同じ過ちを繰り返すのではないかという懸念も示されています。政策の混乱が、酪農家の事例のように現場を疲弊させることにも繋がりかねない、という鋭い指摘も見られました。

【深堀り！知的好奇心】「令和の米騒動」の深層と日本農業の未来

今回の「令和の米騒動」は、単なる米の価格高騰や在庫過剰という表面的な問題に留まらず、日本の食料自給率、農業政策、そして国民の食生活そのものに深く関わる構造的な課題を浮き彫りにしました。

なぜ米は倉庫に山積みになったのか？

事の発端は、2023年から2024年にかけての減反政策強化と猛暑による供給不足でした。これにより米の価格は急騰し、消費者は買い占めに走り、スーパーの棚から米が消える事態に。これに危機感を抱いた卸業者やJAは、翌年の不足を見越して農家から高値で米を大量集荷しました。しかし、2025年に入ると、政府による備蓄米の大量放出（70万トン以上）と、農水省が増産を誘導したことで供給が一気に増加。さらに消費者の米離れが加速し、パスタやパン、ファストフードなど代替食へのシフトが進んだ結果、需要が大きく減少しました。これにより、卸業者の倉庫には高値で仕入れた新米だけでなく、去年の古米までもが大量に滞留し、在庫の評価損という大きな問題に直面しているのです。

「国の政策」と「卸業者の投機」：誰が真の責任者か？

卸業者側は「政府の需給見通しの誤り、減反政策からの増産誘導に騙された」と主張しています。確かに、農水省の需給見通しが外れたことは、卸業者の過剰な集荷を助長した一因でしょう。しかし、スレッド内でも指摘されているように、2024年に空前の利益を上げた卸業者が、翌年の価格高騰を期待して投機的に大量集荷した側面も否定できません。玄米であれば長期保存が可能であるため（古米になれば価値は下がるものの、新米とブレンドして販売する手法も長年行われてきたとされる）、価格が下がらないうちに売り切るタイミングはあったはず、という厳しい意見も多く見られます。

今後の展望：悪循環の連鎖か、新たな転換か？

この問題は、米産業全体に深刻な影響を与えかねません。高値の国産米は消費者に敬遠され、市場が縮小。その隙を外国産米が埋めるという悪循環に陥る可能性があります。また、国の政策の不安定さは、酪農家が過去に経験したような生産者の疲弊にも繋がりかねません。日本の農業が持続可能な形で発展していくためには、国、生産者、流通業者が一体となり、透明性のある需給予測と、市場原理に基づいた柔軟な価格形成、そして多様な消費者のニーズに応える努力が求められています。