【知床ヒグマ事件】「登山者の自己責任だ」の声多数…“人慣れ”した熊の悲劇は誰のせいなのか？

世界自然遺産・知床で起きたヒグマによる痛ましい死亡事故。友人が目の前で襲われるという壮絶な状況、そして専門家から指摘されたのは「人を怖がらないクマ」の存在でした。この悲劇をきっかけに、ネットでは人間と野生動物のあり方を巡る、根源的な議論が巻き起こっています。

元スレ：友人の必死の抵抗かなわず「良くも悪くも知床のクマは人を怖がらない」人慣れ加速を専門家指摘

専門家が口を揃えて指摘するのが、ヒグマの「人慣れ」。一部の心ない観光客による餌付けや、写真撮影のための接近が、クマから人間への恐怖心を奪ってしまいました。事件の数日前にも警告記事が出ていたという事実は、今回の悲劇が「予見されていた」ものであった可能性を示唆しています。

事件が起きると必ず噴出する「自己責任論」。今回も「危険な場所に自ら行ったのだから自業自得」という厳しい意見が多数見られました。一方で、人慣れを助長する観光客を取り締まれず、春グマ駆除を廃止するなど、有効な対策を怠ってきた行政の責任を問う声も強く上がっています。

「人を恐れないクマは駆除すべきだ」という意見は、以前の記事でも議論した通り、非常に根強いものがあります。しかし、舞台が「世界自然遺産」である知床となると話は複雑化します。自然保護と人間の安全という、二つの正義がぶつかり合う、非常に難しい問題です。

【moccosのあとがき】これは予見されていた悲劇か…知床が日本社会に突き付けた重い課題

「人慣れ」したクマの出現は、多くの専門家が警告していました。その意味で、今回の事件は起こるべくして起きた悲劇と言えるのかもしれません。世界遺産というブランドがもたらす観光の恩恵と、それによって歪められていく自然との関係性。この重い課題に、私たちはどう向き合っていくべきなのでしょうか。